1 税目別に見た調査
例えば、法人に対する調査の場合、法人税は当然のことながら、消費税、源泉所得税、印紙税も同時に調査対象税目となります。
なお、従業員数が多い事業所や非居住者への支払いが多い事業所などは、源泉所得税単独の調査や不動産業、金融業、販売業など契約書や領収書などの発行が多い事業所には印紙税単独の調査が入る場合もあります。
また、輸出業など消費税の還付申告事業者については、消費税単独の調査が多く行われています。
2 組織別に見た調査
税務署による調査と国税局による調査があります。
大規模事業者や国際取引関連事業者などは、国税局資料調査課や統括国税実査官が担当し、また基本的に資本金1億円以上の法人は、国税局調査部が担当します。
組織、部署ごとに、調査手法、調査展開などノウハウを有しています。
調査日数、事業所への臨場日数などは、事業規模、申告内容により異なり、数日から数か月まで様々です。
調査に際しては、原則として、調査日時などを、あらかじめ電話により通知します。
現金業種など、ありのままの事業実態の確認を行う必要がある場合には、事前通知を行わず、無予告での調査となります。
マスコミに、多額の脱税事件や著名人への税務調査が取り上げられ、注目を浴びることがありますが、ほとんどの場合は、経理処理の誤りについて、申告内容の是正を求められるものです。
また、法人、個人とも全納税者を対象とすることは不可能ですから、申告内容に疑問や照会の必要がある場合など、一定の要件のもとに調査が行われます。
調査予告を受けた場合、日頃から適切な経理処理に基づいて申告、納税している事業者の方であっても、心穏やかとはいかないと思います。
その場合でも、あわてず、顧問税理士に速やかに連絡して、的確な対応を依頼しましょう。
事前通知の際に、関係帳票類の準備依頼がありますので、調査の早期終了のためにも、各税目の関係帳票類を適切に用意しておく必要があります。