非居住者となる者の年末調整


 

 年の途中で海外支店へ転勤することにより非居住者となる従業員の給与等の年末調整についての注意事項です。

 

 

 

1 年末調整の対象となる給与

 出国日を含む居住者期間中に支給期の到来した給与等が年末調整の対象となります。

 

 居住者期間中に支給期の到来した未払給与につき、非居住者となった後に支払ったものも対象となります。

 

 非居住者期間中に支給期が到来した給与等は、居住者期間中の勤務に基づくものであっても年末調整の対象になりません。

 ただし、非居住者期間中に支給期が到来した給与等で国内勤務に基づくものは、20.42%の源泉分離課税の対象となります。

 

2 社会保険料、小規模企業共済等掛金、生命保険料、地震保険料

 居住者期間中に給与等から控除されまたは支払った保険料等が年末調整における所得控除の対象となります。

 居住者期間中に控除または支払うべき保険料であっても非居住者期間中に控除または支払ったものは控除対象になりません。

 前納した保険料等は、居住者期間中に支払期日が到来する部分の金額だけが控除対象となります。

 ただし、居住者期間中に前納した社会保険料で1年以内の前納または法令の規定に基づく前納であるものは所得控除の対象となります。

 

3 配偶者控除、配偶者等特別控除、扶養控除等

 扶養親族等であるかや扶養親族等の年齢については、非居住者となった出国の日の現況で判断します。

 例えば、年末時点で16歳以上であっても、出国日において16歳未満である場合には年少扶養親族となります。

 ただし、非居住者となる以前に納税管理人を選任し届出を行っている場合は、年末の現況で判断します。

 なお、扶養親族等の合計所得金額は、出国日の現況により合理的に見積もって判断することになります。